イノチャンについて

イノチャンとは?

理念

今日、社会の抱える課題が複雑化している中で、多様な要素を俯瞰しつつ物事の本質を見極め、適切な解決を図る力が一層重要になっています。「失われた20年間」と呼ばれるように日本は今、かつてない成長の停滞に見舞われています。さらに、少子高齢化は歯止めを見せず、未曽有の社会構造となっています。このような社会において、生産性の向上は至上命題であり、社会イノベーションは日本社会に唯一残された一筋の光明なのです。

このように、今日の社会における社会イノベーションの重要性はますます高まっています。しかし、社会イノベーションを学ぶ機会は極めて限られているのも現実です。そこで、社会イノベーション教育に触れ、実践する機会の創出を目指し、東京大学工学部社会基盤学科の学生有志と教員によってイノチャンを開催することとなりました。高校生という早い段階から社会イノベーション文化に触れることは、社会イノベーションへの理解を深めるだけでなく、大学や社会に進んだ際に社会イノベーターとして活躍する大きな第一歩となるはずです。当大会では、チームのメンバーと社会の中の課題を見つけ、自分たちでアイデアを導き出してもらいます。当大会を通して、社会イノベーションの楽しさを感じると同時に、多くの若者が社会イノベーションに対して夢を抱き、自ら起こしたいと思うようになることを願っています。

 

高校生へのメッセージ

みなさんが社会を変える。イノチャンはその第一歩なのです。

「どうして学校でこんなことを学んでいるのだろう。今の私たちにとって本当に必要な学びって何だろう。」そう思ったことはありませんか。確かに、社会に出てから必要とされる知識はごくわずかで、今学んでいることの大半は役に立たないかもしれません。

今社会はその方向を大きく変えようとしています。地球温暖化・少子高齢化などの環境・社会の変化から自動運転・AIなどの技術の発達まであらゆる動きがあり、既存の技術だけでは対応しきれない社会になっていくでしょう。そこで必要となるのが、「イノベーション」であり、私たちは特に社会問題の解決に向けたものを「社会イノベーション」と呼んでいます。

ではイノベーションとは何でしょうか。私たちはイノベーションを、既存の技術やアイデアの組み合わせの結果、新たな価値基準を生み出すことであると考えています。少し例を挙げてみましょう。 数学の世界に最初0という数字はありませんでした。ものが「ある」ことは認識しやすいですが、「ない」ことは認識しづらいからです。盲点である「ない」の概念を0という数字で表したことはイノベーションと言えるでしょう。この発見は数学を飛躍的に発展させました。大きな発見だけではなく、イノベーションは身近にもあります。例えばシャンプーの容器には側面にきざみがついています。これは目をつぶった状態でもリンスとの区別を可能にするアイデアです。こういったちょっとした発想もイノベーションと呼べるでしょう。

イノベーションと聞くと、全く新しい発想が何もないところから生まれるような印象を受けますが、そうではありません。全く新しいと思われるアイデアでも、実は既存の知識や技術の組み合わせでできています。そして、その組み合わせこそがイノベーションの重要なところであり、その組み合わせを思いつくために今までの学びの片鱗が役に立つのです。つまり、高校生の皆さんでも今まで学んできたことを生かして新しいアイデアを作り出すことができるのです。ただ、この思考方法を習得するためには訓練が必要で、その第一歩としてイノチャンが誕生しました。

イノチャンは社会イノベーションのアイデアとその創出プロセスを競う高校生を対象とした全国大会です。この大会で他のチームと競いながら仲間と協力してアイデアを創出することで、他者の考えを理解し自分の考え方の引き出しを多くすること、そして不可能だと思える問題に出会っても解決しうる可能性があると学ぶことを期待しています。イノベーションに明確な答えは存在せず、無限の可能性を秘めています。あなたの持つ貴重な発想力を生かし、唯一無二のアイデアを創出してみましょう。未来ある高校生の皆さんの参加をお待ちしております。

東京大学工学部社会基盤学科について

社会基盤学(Civil Engineering)とは、道路や公園、橋、駅や鉄道、物流や情報通信など、私たちの日常生活を支える技術体系です。東京大学工学部社会基盤学科では、土木構造物の基盤技術を中心に、水環境、都市問題、防災、景観、国土計画、社会資本政策、プロジェクトマネジメント、国際協力など幅広い学問を扱っています。人間の生活に関わる多様な専門領域において、次代の環境創造を担う個性豊かな人材の育成を目指しています。東京大学工学部社会基盤学科については学科ホームページ(http://www.civil.t.u-tokyo.ac.jp/)の方をご覧ください。